ジムニッ記 30
車検のときに足回りがそろそろ…と言われ
フロントのナックルオーバーホールを依頼するか自分でやるか随分と悩みましたが
そこそこの工賃が取られるようなので、この際、整備スキルを上げるためにトライしてみました。
気軽に相談できる整備士が近くにしないので、命に直結する部分はできる限り触れないようにしていたのですが、タイヤを外すところから徐々に段階を踏んで、無事ナックルオーバーホールをやり切ることができました!!
タイヤを外したことすらなかった私でもやり切ることができました。
もちろん、かなり入念な下調べと準備をした上で実施しました٩( ‘ω’ )و
今回はその工程をできる限りわかりやすくまとめておくので、自力で整備を考えてる方はぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
JA12,JA22,JB32だけでなくJA11,JB23のナックルオーバーホールをする際にも役に立つ内容かと思います。
目次
- 現状
- 必要物品
- ナックルオーバーホールの実施
- ジャッキアップ
- デフのオイルを抜く
- ブレーキの取り外し
- フリーハブの取り外し
- タイロッドエンドの取り外し
- ブレーキディスクの取り外し
- キングピンの取り外し
- オイルシールの取り外し
- スピンドルとアクスルシャフト、ナックルの取り外し
- オイルシール(Oリング)の取り外し(清掃)
- キングピンベアリングとアウターレースの取り外し(清掃)
- オイルシール(Oリング)とアウターレースの取り付け
- アクスル、アクスルシャフト、ブレーキダストカバー、キングピンなどの清掃とグリス塗布
- アクスルシャフト、キングピンベアリング、ナックルの取り付け
- キングピンの取り付け
- カバーオイルシールの取り付け
- フリーハブのグリスアップと装着
- ナックルやブレーキダストカバーの清掃と塗装
- タイロッド、ステアリングロッドの装着
- ブレーキの取り付け
- 規定トルクでの締め上げ
- 最後に
現状
納車の際に足回りもかなり綺麗に整備してあったので、約12年と4万キロ(合計100,000キロ)の走行を経ての整備になります。
現状は旧型ジムニーにはよくある光景といったところでしょうか、右側はデフオイルが漏れてかなり危うい感じ。
左側はオイルが滲んだ感じはありませんが、状態がいいのか悪いのよくかわからない…
参考動画
ジムニー(JA系)のナックルオーバーホールは解説動画はかなりたくさんあります。
その中でも参考になった動画をピックアップして紹介しておきますね。
スタンダードなナックルオーバーホールの手順がかなりわかりやすい動画です。
これを見て真似すればなんとかなる…といった感じ。
ナックルオーバーホールキットに含まれていないカバーオイルシールとリテーナがボロボロで使い回せないトラブルがあります。
必要物品
ナックルオーバーホールキットを購入すれば大丈夫!!みたいな解説もたくさんありますが
実際のところ追加購入が必要なパーツや工具がたくさんあって、準備するのにまずまずの時間と労力を要しました。
あると便利なもので紹介している物品は、素人だからこそあったほうが安心して作業できるものも多く含まれています。できる限り準備した方が無難ですd( ̄  ̄)
絶対に必要なもの
準備しないと作業ができないものを紹介します。
- ナックルオーバーホールキット
- ジャッキ、ジャッキスタンド
- ギアオイル(デフ用)
- グリス
- トルクレンチ
- パーツクリーナー or 灯油
ナックルオーバーホールキットに必要な物品がセットになった製品です。
単品でも売ってありますが割高になります。
JA11、JA12、JA 22、JB32は共通でいけるみたいです。JB23は別のキットになります。
ナックルオーバーホールは両側同じタイミングで実施するのが基本みたいですd(゚∀゚)
両側オーバーホールする場合は、片方だけやって一度走行するとなるとデフのオイルを2回充填しないといけなくなります…
私が購入した両側ナックルオーバーホールキットの内容は以下の通り⬇︎⬇︎
両側ナックルオーバーホールキットは最安で8,000~10,000円くらいの価格帯で販売されてます。
現在はAmazonが一番安いです。
ナックルオーバーホールキットの中にリテーナとカバーオイルシールは含まれてませんが
長期間手付かずの場合はボロボロになって使い回せないことが多いようなので
追加で購入しておいた方が無難かと思います。
YouTubeの解説動画を見ていると本来は使い回せるリテーナとオイルシールがボロボロで
使い回せないことがほとんどでしたd( ̄  ̄;) 参考動画▶︎シュンヤのガレージライフ
リテーナーは品薄?インフレ?のせいか、ここ1ヶ月くらいで価格が倍くらいになりました…(ー ー;)
Yahooショッピングにある4枚入り8,766円が一番安いですd( ̄  ̄)
ナックルオーバーホールキット(JA系)+リテーナ、カバーオイルシールの純正品番もまとめておきます⬇︎⬇︎
製品名 | 製品番号 | 価格 × 必要数(両側) | 最安(純正) |
---|---|---|---|
【16番】オイルシール | 09283-54001 | 約700〜1,000円 × 2 | 740円(楽天) |
【27番】キングピンベアリング | 09265-15005 | 約2000〜4,000円 × 4 | 2,156円(Amazon) |
【29番】リテーナ | 45623-80001 | 約2,000〜4,000円 × 4 | 3,590円(楽天) |
【30番】オイルシール | 09285-00002 | 約1,500円 × 2 | 1,508円(楽天) |
【31番】フェルトパッド | 45600-82810 | 約508〜580円 × 2 | 508円(楽天・Yahoo) |
【32番】カバーオイルシール | 45625-63001 | 約1,550〜1,664円 × 4 | 1,550円(Amazon) |
ジャッキとジャッキスタンドがないとタイヤ外せないですよね…
今使ってるのはAmazonでセール時に購入したエマーソンのジャッキになります。
ジャッキアップ素人の私でもとても扱いやすかったので入門機としておすすめかと思います。
積載量3t,最低位135mm,最高位435mm と価格の割にかなり優秀なスペックです。
ジャッキスタンドは支える部分にラバーがついてることと
2つ以上安全機能がついてるもので探して購入しました。
安全機能としてロックピンが刺せるようになってるのですが
少しゆるゆるで落ちてしまうことがあるので注意して使ってますd(゚∀゚;)
5000円以内、2個セット、積載量3t、最低位280mm、最高位430mm、ラバーパッド付、高さ6段調節
ロックピンでのダブルロック機能付き… と条件を全て満たして購入しましたが満足です。
Amazonが一番安いです。
フロントのギアオイル(デフ用)はオーバーホール作業前に一旦全て抜くので、新しいオイルを準備しておく必要があります。
JA系のギアオイル(デフ用)は種類が『80W−90/GL-5』、容量はフロントが1.35L、リアが1.5L必要とのこと。
ついでにリアのオイルも交換するのでAmazonで4Lの安いギアオイルを購入しました。
最初から注ぎ口にベロもついて気の利いた商品でしたd(゚∀゚)
Amazonが最安の3500円でした。
デフオイルの給油口と排出口は10mmスクエアになるので、10mmのドレンプラグソケットを準備する必要があります。
9.5mm(9.5Sq)サイズのレンチなどでこじってナメると終わりなので購入した方がいいかと思いますd(゚∀゚;)
送料を考えるとAmazonが一番安かったです。
オイル注入用のソースボトル?も100円均一など買っておいてください。
アクスルシャフトやキングピンのベアリングなど、各種ベアリング部分にグリスを投入して滑りをよくするために
グリスは必要不可欠です。
ナックル内に充填するグリスはワコーズのタフグリースを
ベアリング部分に充填するグリスはモリブデングリスを購入しました。
タフグリースはかなり高価ですが、ほとんど交換することがない場所なので奮発しました(^ ^)
適正量通りならタフグリースは400ml×1本で足りますd( ̄  ̄)
ナックルオーバーホールついでに触れる部分のゴムパーツはできる限り新品に取り替えたり
メンテナンスしたかったので、ゴム用にシリコングリスも購入しました。
モリブデングリスやタフグリースはゴムにいいだの悪いだのよくわからなかったので
ゴム用のグリスも購入しました( ´ ▽ ` 😉
何かミスがあると命に関わるような箇所なので、ボルトやナットは必ず最後に規定トルクで締める必要があります。
せめて1/2(12.7mm)と3/8(9.5mm)の2サイズは最低持っておいた方がいいです。
3サイズ持っていればベストですね。
スペースが狭い部分の小さなボルトの締め上げは3/8サイズがないと1/2サイズではかなりきつい時がありましたd( ̄  ̄;)
今回のベストツール賞はソケットアダプターセット。
このアダプターがあることでソケットやレンチのサイズを臨機応変に付け替えて作業することができました。
私みたいにソケットやレンチなど手持ち工具がまだ少ない方は持っておくとかなり便利ですd(゚∀゚)
フリーハブやキングピン、アクスルシャフトのベアリングなど水洗いできないようなオイルまみれの部分を清掃しないといけないので、パーツクリーナーは必須です。
3本くらいあれば十分足りるかと思います。
あると便利なもの
予算に都合がつくのであれば、あった方が便利なものをまとめて紹介します。
- タイロッドエンドプーラー
- ラスペネ
- 液体ガスケット
- フリーハブナットソケット(SST)
- 電動 or エアーインパクトレンチ
- スナップリング・ロックピンプライヤー
- 大きめのハンマー
タイロッドの取り外しがスムーズにできる道具です。
取り外すためにハンマーで叩きすぎるとブーツやロッドを傷めてしまうので購入しました。
メルカリで1,200円でした。
古い錆びたナットやボルトは最初からラスペネを振って触らないとすぐにナメてしまいます。
古い車を触るならこれはもう必需品ですね。
固着地獄のお供に…
ボルトや鉄板など接着面の隙間から水が入り込んで欲しくない箇所に塗布します。
ベアリング周囲に浸水すると錆びてしまうのでしっかりと対策しておく必要がありますd( ̄  ̄)
先人たちはキングピンやナックルの接着面、フリーハブの固定ボルトに塗っていることが多かったので真似しました。
本当はワコーズの液体ガスケットを使いたかったのですが価格が3〜4倍ほどしたので諦めました…_(┐「ε:)_
ハブベアリングナットを締めたり、緩めたりできる専用ソケットになります。差込角が1/2(12.7mm)。
フリーハブナットソケット(SST)がなくてもナックルオーバーホールは可能みたいですが
ハブベアリングの中の状態を確認して軽く清掃したかったので購入しました。高い…
フリーハブナットソケット(SST)を使わずにナックルオーバーホールする方法はこちら▶︎ EBI’s ファミリー
これはもう説明する必要もないですね。あった方が楽に作業できます。
エアーの方はコードが邪魔になるので、やっぱりバッテリー電動がいいですよね…( ´ ▽ ` 😉
ハブベアリングワッシャー・ナットあたりにアクスルシャフトに固定されているロックピンを外すときに使います。
解説動画ではペンチなどであっさりと外してましたが、私には無理だったので急遽購入しに行きました。
このプライヤーがないとロックピンが曲がったりして傷める可能性大かと思いますd( ̄  ̄;)
小さいハンマーでなんとかなるだろう…と思っていたのですが
オイルシール(Oリング)やベアリングソケットの打ち込みがかなりしんどかったので
急遽大きめのハンマーを買いに行きました。
『打ち込み』もちょうどいいサイズのものを予め準備しておいた方がいいですd(゚∀゚;)
あってよかった…もの、追加購入したもの
あってよかった…となったものや、トラブルで追加購入したものをまとめて紹介します。
古い車の場合は特に触れれば触れるほどナメたりかじったりトラブルが多いので、ボルトやナットの破壊器具はある程度準備しておいた方がいいかと思います…_(┐「ε:)_
- ショックドライバー
- ナットツイスター
- ナットカッター
もともとナメかかっていたハブのプラススクリューをさらにナメてしまったときに活躍しました。
これは絶対に持っておいた方がいいおすすめ工具ですねd( ̄  ̄)
古い車になってくると油断するとナットをナメてしまうことも多いです。
安いソケットやレンチを使ってるとナメてしまうことも多いので
新品に交換すること前提でナットツイスターが残った山をガッツリ噛んで回してくれます。
古い車を扱うなら特にこれも必需品ですね( ´ ▽ ` )
ナットツイスターが使えない部分だったり
ナットツイスターでもどうにもならないナットをあっという間に真っ二つにできます。
破壊前提の工具ですが大きなサイズを1つ持っておけば、最終手段として使える便利なおすすめ工具ですd(゚∀゚)
ナックルオーバーホールの実施
入念な準備を重ねて、実施に至りました。
その工程をまとめておきます。
ジャッキアップ
まずはジャッキをフロントのデフに当ててジャッキアップします。
ジャッキアップする前にフロントのタイヤのボルトを緩めておきましょうd( ̄  ̄)
ジャッキアップ後はタイヤが回ってボルトが外しにくいです。
タイヤを外す前の写真を撮り忘れてました…_(┐「ε:)_
両側リーデイングアームの付け根にジャッキスタンドを当ててから、ジャッキを降ろします。
リーディングアーム途中にあるポッチ(ジャッキポイント)に当てるとリーディングアームを上下に振れなくなります。
タイロッドやステアリングロッド、スタビライザーなど再装着する際に、リーディングアームを上下に触れないとはめ込むことが困難です_(┐「ε:)_
タイヤを外して作業準備完了です。
車を揺すってみてしっかりとスタンドが固定されているか確認します。
ジャッキアップする前のタイヤが固定されている状態で、フリーハブの固定ボルトも緩めておいた方がよかったですd( ̄  ̄;)
デフのオイルを抜く
デフのオイルを抜いておきます。
デフオイルを抜いてないとアクスルシャフトを引っこ抜くとただ漏れ状態になってしまいそうな気がしてましたが全然大丈夫でしたd( ̄  ̄;)
オイルを抜くタイミングは新しいオイルシール(Oリング)を装着する前であればいつでもよさそうです。
*デフオイルの交換方法を詳しく解説した記事はこちら⬇︎⬇︎
準備中…
ブレーキの取り外し
マウンチングとブレーキパッド、ブレーキキャリパーを外していきます。
まずはブレーキキャリパーの後ろのボルト(10mm)を2本取り外します。
ブレーキキャリパーがガバッと取り外せます。
ブレーキホースが切れるとまずいので、S字フックなどを使ってテンションがかからないように吊り下げておきます。
ブレーキディスクを挟み込んでいるブレーキパッドを引っ張って2つとも外します。
最後にマウンチングが2本のボルト(17mm)で固定されているので取り外します。
マウンチングをブレーキディスクから引き抜いて、ブレーキの取り外し完了です。
フリーハブの取り外し
フリーハブを外していきます。
今回はハブの中身はいじらないので、根本から外していきますd( ̄  ̄)
ハブの根元にある8本のボルトを外します。
カバーの出っ張りが邪魔で縦にソケット系の工具は入りにくいので、レンチとハンマーで外しました。
ハブの中には水が入り込んで少しサビついてました。
あとで綺麗にしていきます。
フロントホイールベアリングのナット取り外していきます。
フロントホイールベアリングのワッシャーを固定しているスクリューを4つ外していきます。
最初からかなりネジ山が崩れていて、案の定ナメたのでショックドライバーを使って外しました。
アクスルシャフトに固定してあるスナップリングを外します。
解説動画では専用の工具を使わないでサラッと外しているような動画をいくつも見ましたが…
私にはどうしても取り外すことができず、専用工具を急いで買いに行きました。
ロックピンプライヤーやスナップリングプライヤーなど色々と呼び名はあるようです。
専用のプライヤーを使ったらあっさり取れました…最初から買っておけばよかった…
取り外したスナップリングの下にあるワッシャーを外します。
フロントホイールベアリングのナットを専用工具フリーハブナットソケット(SST)を使って外していきます。
ただ…硬すぎてどうしても回らず、今回はハブベアリングの交換はしないので断念。
油圧プレスと高出力のインパクトドライバーを買ったら、その時にまたハブベアリング交換にチャレンジします。
ナットの穴が寄れたような傷がたくさんあったので、少しナメかかってるようでした…
ナットにSSTを差し込んでいる写真は撮り忘れました…_(┐「ε:)_
タイロッドエンドの取り外し
タイロッドエンドを外していきます。
割りピンでナットが固定されているのでペンチとハンマーを使って外します。
割りピンが外れたらピンで固定されていたナットも外します。
この写真はフロント右側のタイロッドエンド取り外しの写真になりますd(゚∀゚)
ボルトの選択とゴムの間にタイロッドエンドプラーを差し込んで
広げる▶︎お尻を叩いてプーラーを押し込むを繰り返しているとドスンッ!!とタイロッドが外れます。
タイロッドエンドプーラーがない場合はハンマーで叩くと外れるようですが…
ボルトやゴムを傷めないように気をつけてくださいd( ̄  ̄;)
左前輪の場合は手前側にステアリングロッドもあるので、タイロッドと同じ手順で外します。
ブレーキディスクの取り外し
ブレーキディスクを外していきます。
外さなくてもナックルオーバーホールは可能ですが、今回はブレーキディスクを新品に交換したり、周囲のダストカバーなども綺麗にしたいので取り外しますd(゚∀゚)
ブレーキディスクには取り外し用のネジ穴が2箇所用意されているので
この穴にボルトをねじ込むと簡単にブレーキディスクを外すことができます。
ちなみに、どうしてもブレーキディスクが外れない、穴に差し込むボルトも見つからない場合は
スタビリンクのボルトがピッタリ合うので、1つ拝借して使ってもいいかと思います。
キングピンの取り外し
キングピンを外していきます。
キングピンはフロントアクスルとナックルを固定している軸で、タイヤの向きをコントロールする回転中心軸になりますd(゚∀゚)
上下に1つずつあるので、それぞれ4本の固定ボルトを外すと取れます。
写真を撮るのを忘れていたので、最後に取り付けた閉じたときの写真を使ってます…_(┐「ε:)_
ガスケットなどで結構べったりくっついてるので
マイナスドライバーとハンマーで優しく叩いて外しました。
オイルシールの取り外し
オイルシールを外していきます。
合計8本のスクリューで固定してあるので外します。
スクリューを外したらマイナスドライバーなどでオイルシールを剥がしていきます。
それぞれ外したものを表と裏で並べてみました。
カバーオイルシールとリテーナは再利用できるみたいですが、やはり無理ですね。
リテーナはどの動画解説でもサビていたので、最初から新品を準備しておいた方が無難ですd( ̄  ̄)
スピンドルとアクスルシャフト、ナックルの取り外し
スピンドルとアクスルシャフト、ナックルを外していきます。
今回はフロントホイールハブのナットを外していないので、ホイールハブ、アクスル、ブレーキカバーをごっそりと外すことになります。
ナックルをしっかりと支えてゆすると、ごっそりと外れます。
アクスルシャフトも一緒に抜けてくるのでゆっくりと引き抜いてください。
アクスルシャフトに砂利が入るといけないので、取り出した後はすぐにビニール袋に入れて保護しましたd(゚∀゚)
オイルシール(Oリング)の取り外し(清掃)
オイルシール(Oリング)を外して清掃していきます。
まずはグリスとオイルの塊を綺麗に清掃します。
デフの中に水が入るといけないので水洗いは禁止です。
私はウェスである程度拭き取った後にパーツクリーナーで洗浄しました。
キングピンペアリングは簡単に外れるので、サビやベアリングの状態を確認してから捨ててください。
オイルシール(Oリング)を先の尖った工具を引っかけながら、全周に満遍なく力を加えながら外していきます。
途中、バネが飛び出てきたりしますが、無視して続けてください。
私は昔100円均一で購入したバールがあったので、それを使って外しましたd(゚∀゚)
キングピンベアリングとアウターレースの取り外し(清掃)
キングピンベアリングとアウターレースを外していきます。
上下のキングピンアウターレースを内側から叩いて外します。
マイナスドライバーや打ち込みなどを使って外しました。
キングピンのアウターレースとオイルシール(Oリング)を外し終わったら
裏面にべったりついたオイルやグリスの焦げカスのようなものをマイナスドライバーでこそいだり、ヤスリで削って綺麗にします。
パーツクリーナーで綺麗に掃除した後に塗装しました。
デフの中がグリスで汚れているかもしれないので
オイルを抜いているなら、ウェスなどをつっこんでデフ内を綺麗に掃除しておきます。
忘れないうちにここでオイルシール(ゴム)をつけておきましょう。
装着せずに作業を進めていって忘れると、やり直さないといけなくなります。
サービスマニュアルには切って装着するように書いてあるらしいですが、グリスをつけてやればギリギリで装着することができます。向きも注意ですd( ̄  ̄) 写真撮り忘れました…_(┐「ε:)_
オイルシール(Oリング)とアウターレースの取り付け
オイルシール(Oリング)とアウターレースの取り付けていきます。
新品のオイルシール(Oリング)を打ち込んで取り付けます。
私は同じくらいの大きさのソケットを使って打ち込みました。
アウターレースも上下打ち込んで取り付けていきます。
取り付け部分には少しだけ窪みがあるので、全周に隙間がないか確認しながら打ち込みます。
ハンマーで直接叩くと傷つけるので、平らなステンレス版を挟んで均等に打ち込んでいきましたd(゚∀゚)
アクスル、アクスルシャフト、ブレーキダストカバー、キングピンなどの清掃とグリス塗布
アクスル、アクスルシャフト、ブレーキダストカバー、キングピンなどの清掃とグリス塗布して、取り付ける準備をします。
水洗いが厳禁な部分の清掃をしていきます。プロの方は皆さん灯油で洗ってましたねd(゚∀゚)
砂利が入るとベアリングを傷つけてしまうの注意です。
アクスルシャフト、キングピン、フリーハブなどは汚れやグリスをパーツクリーナーを使ってできるだけ洗い流しました。
アクスルシャフトのベアリング部分にはしっかりとモリブデングリスを入れ込みました。
フリーハブにもモリブデングリスを塗っておきます。
ハブベアリング周囲やブレーキダストカバーなどもパーツクリーナーで綺麗に清掃します。
ダストカバーやナックルの錆びた部分は削ってサビ転換剤を塗布。あとで錆止め塗装します。
アクスルシャフト、キングピンベアリング、ナックルの取り付け
アクスルシャフト、キングピンベアリング、ナックルの取り付けていきます。
ここはグリスでベタベタするし、砂がつかないようにするのにかなり大変でした…_(┐「ε:)_
取り付け作業に入る前にオイルシール(ゴム)はつけましたか??
装着せずにナックルを連結させてしまうとやり直すことになります…
キングピンベアリングにタフグリース(ワコーズ)をたっぷり馴染ませてとりあえず上だけ装着します。
下側はナックルを連結する寸前にたっぷりとグリスをつけた状態でくっつけてから連結作業に入ります。
アクスルシャフトは突っ込んでから、中心にはめ込むような感覚があるところまで押し込んでおきます。
矢印の部分にもタフグリースをたっぷりと入れ込みます(サービスマニュアル上は160g)。
写真撮れてませんでした…_(┐「ε:)_
アクスルシャフトを中心に差し込みながら押し込んでいきます。
キングピンベアリングの部分がスレスレでかなり入りにくいので
しっかりとベアリングを押し込んでおいてください。
連結する寸前に下側のキングピンベアリングを装着してから押し込みますが、もしかしたら下に落ちてしまうかもしれないので、汚れないように何か下に敷いておいた方がいいですd( ̄  ̄;) ここはかなり難しい…
キングピンの取り付け
キングピンを取り付けてボルトで固定していきます。
キングピンの部分から水が入ってしまうとベアリングが錆びてしまうので
ガスケットをたっぷり塗って装着。
赤色のガスケットはあとではみ出した時に見た目が良くないので、透明な方がいいですね…( ´ ▽ ` 😉
ボルトは全てスズキ純正の新品へ交換しました。
シール加工済みだったので水漏れ防止はせず、そのまま使用しました。
キングピンのボルト ▶︎ 8×20 純正品番09117-08050 必要数16本(1台分)
カバーオイルシールの取り付け
リテーナ、オイルシール、フェルトシート、カバーオイルシールを取り付けていきます。
まずはリテーナを取り付けます。リテーナーにはガスケットを塗って上下位置に装着します。
取り付けの向きに注意ですd( ̄  ̄)
次は装着していたオイルシール(ゴム)を押し込みながら
フェルトシート▶︎カバーオイルシールの順序で装着します。
ずれないように抑えながら8カ所ボルトで固定します。
固定ボルトは全てスズキ純正の新品ボルトに交換しました。このボルトはかなり高い…(ー ー;)
ボルト、ジョイントシール ▶︎ 純正品番45626-83000 必要数16本(1台分)
フリーハブのグリスアップと装着
清掃したフリーハブにグリスを塗って装着していきます。
この工程は特に砂や石が入らないように注意ですd( ̄  ̄)
フロントホイールハブナットやワッシャーにモリブデングリスを塗った状態で、ワッシャーを4本のボルトで固定します。
純正はネジ山がナメてるので、新しく同等の六角皿キャップを購入して取り付けました。
写真を撮り忘れたので、以前確認がてらに分解したときの写真を使ってます( ´ ▽ ` 😉
アクスルシャフトの部分にワッシャー▶︎スナップリングを取り付けます。
清掃したフリーハブ内にモリブデングリスを塗って装着します。
ナックルやブレーキダストカバーの清掃と塗装
ナックルやブレーキダストカバーの清掃と塗装をします。
サビを落としてから転換剤を塗って、よく乾かしてから錆防止スプレーで塗装しました。
タイロッド、ステアリングロッドの装着
取り外していたタイロッドとステアリングロッドの装着していきます。
タイロッドは両側外しているので、一旦洗浄+サビを落として
転換剤塗布後、ゴムを保護した状態で防錆スプレーで塗装しました。
タイロッド、ステアリングロッド固定用のナットはサビサビだったので削ってサビ転換剤を塗布しました。
割りピンもサビサビだったので新品をホームセンターで購入。
ナットはかなり錆がひどかったので、新品を購入して交換したいと思いますd(゚∀゚)
まずはステアリングロッドから取り付けをしようとしたのですが、ボルトとナットが供回りして固定できない…
散々悩んだ結果、タイロッドエンドプーラーを逆さまにつけて
ゴムを圧迫した状態でナットを締める ▶︎ プーラーを少し引き抜いて締める ▶︎ ナットを締める ▶︎ プーラーを少し引き抜いて締める…
この繰り返しでなんとか締め上げることができました。
めちゃくちゃ焦りました…_(┐「ε:)_
あとはボルトの穴に割りピンを差し込んでペンチで曲げて固定します。
タイロッドは供回りすることなく左右ともナットを締めて割りピンで固定できました。
ピンは両方曲げてますが、1つだけ曲げるのがスタンダードみたいですね…(ー ー;)
ブレーキの取り付け
ブレーキドラムやキャリパーなどを取り付けていきます。
新しいブレーキディスクを準備していたので、取り付けていきます。
ボルトに合わせて被せるだけです。
新品は気持ちいですね( ´ ▽ ` )♩
ブレーキパッドとセットで思ったより高くなかったです⬇︎⬇︎
マウンチングを綺麗に清掃して取り付け、ブレーキディスクを挟んだ状態でパッドを装着します。
マウンチングの固定ボルトもサビサビだったので、スズキの新品純正ボルトへ交換します。
ボルト,12X32 ▶︎ 純正品番 09117-12012 必要数4本(1台分)
ブレーキキャリパーも綺麗に清掃して取り付けます。
規定トルクでの締め上げ
タイヤをつけてから荷重した状態でボルトを規定トルクで締め上げていきます。
- ハブベアリング ▶︎ 220N
- ステアリングロッドエンド ▶︎ 90N
- タイロッドエンド ▶︎ 40N
- キングピン ▶︎ 25N
- ナックルシールカバー ▶︎ 10N
- フロントブレーキキャリパー ▶︎ 22N
- ホイールナット ▶︎ 95N
最後の最後で…なんとブレーキキャリパーの固定ボルトが折れました…
替えのボルトは購入しておらず、明日は車を使うのでどうにかしないと…(ー ー;)
トルクレンチを使って規定トルクて締め上げていたところボキッと折れました…
そんなに力は入れてないので、逆に作業中に折れてて良かったと思うようにしました_(┐「ε:)_
購入してきたステンレスボルトをグラインダーで同じ長さにカットしました。
少しだけスリット部分が伸びてネジ切りは短くなりますが、なんとか代用はできそう。
ヤスリで整えて無事装着…試運転でも問題ありませんでした。
あくまで純正のボルトが届くまでの応急処置です。
ヤスリで整えて無事装着…試運転でも問題ありませんでした。
あくまで純正のボルトが届くまでの応急処置です。
後日代用していたキャリパーの固定ボルトは純正に交換しました。
最後に
無事ではなかったですが…いくつかのトラブルに遭いながらも何とか1人で最後までやり切ることができました。
ショックアブソーバーの交換も行いましたが、試運転も問題なく乗り心地もバッチリよくなってました。
今回の作業でお役目を終えたパーツたちです。
今まで頑張ってくれてありがとう。
*ジムニー(JA11,JA12,JA22,JB32)のショックアブソーバー交換編はこちら⬇︎⬇︎
他にも旧型ジムニー(JA11,JA12,JA22,JB32)に使える車DIY記事を書いてます。
興味のある方はぜひ読んでいただけると幸いです⬇︎⬇︎
*ジムニー(JA11,JA12,JA22,JB32)の全塗装(自家塗装)編はこちら⬇︎⬇︎
*ジムニー(JA11,JA12,JA22,JB32)のウッド調パネル製作編はこちら⬇︎⬇︎
*ジムニー(JA11,JA12,JA22,JB32)のサビサビワイパーリンク交換編はこちら⬇︎⬇︎
*ジムニー(JA12,JA22,JB32)の『ELメーターパネル』+『ELエアコンパネル』取り付け編はこちら⬇︎⬇︎
*ジムニー(JA11,JA12,JA22,JB32)のハザードスイッチ増設編はこちら⬇︎⬇︎
*ジムニー(JA11,JA12,JA22,JB32)のヘッドライトとライトリム交換編はこちら⬇︎⬇︎
*ジムニーの社外メーター(油圧、油温、水温、電圧)取り付け編はこちら⬇︎⬇︎
*ジムニーのプチカスタムをまとめた記事はこちら⬇︎⬇︎
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました♪( ´θ`)ノ
初めまして!
自分は整備士で15年ja22に乗ってます。
整備士と言っても車に関してはペーパー整備士で主に重機やフォークリフトの整備をを16年間してきて、今は全く畑違いの仕事に就ています。
今ちょうどショックに違和感があり下回りを覗くと、この15年疎かにしてきた足回りのサビやグリス切れ、不具合を見つけ、他の趣味にばかり散布し、肝心なジムニーに気を遣わなかった事を後悔しています。
なのでジムスタさんの投稿を参考にまずは金が無いので、部品は取らず、ナックル、キングピン辺りをバラしてグリスアップから始めたいと思います。
周りにja12、ja22.、ja32乗りが全く居ないのでジムスタさんの事がすごく気になりコメントさせていただきました。
宜しくお願い致します!
上谷さん初めまして!!
私も現在のジムニーを購入後、ピカピカだった車体を数年野晒しにしていたので、足回りにはサビが周り、ものすごく後悔しました…
私自身も周りにJA系に乗ってる知り合いがいなくて四苦八苦しながら整備していたので、少しでも他のJA系のジムニー乗りの方のお役に立つことができればとサイトを立ち上げました。
ぜひぜひ仲良くしていただけると幸いです^ ^