ジムニッ記 43
ジムニー(JA12,JA22,JB32,JB23)のリーディングアームとトレーニングアームのブッシュを全て新品に交換しました。

今回はアームブッシュの交換工程を紹介していきます。

実際に交換したのはJB32のアームブッシュですが、JA12,JA22,JB23 も交換工程はほぼ同じですd( ̄  ̄)
ゴム類のパーツは経年劣化でヘタってることが多いと思うので、アームブッシュを交換してみたい方はぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
目次
ジムニーのリーディング、トレーリングアームブッシュの役割と現状
リーディングアームとトレーリングアームは車体とサスペンションをつなぐアームで、サスペンションを構成するパーツの1つになります。

リーディングアームは前方、トレーリングアームは後方の車軸から車体を繋ぐアームが伸びていて、車輪が受ける衝撃をエアサスペンションに伝えて、車体の横揺れや路面の傾斜による偏った走行、路面の起伏などによって発生するあらゆる方向への負荷を吸収する役割を果たしています。


ジムニーではリーディングアームが2本、トレーリングアームが2本付いていて、1つのアームにつきブッシュが3個ずつ付いてるので、ブッシュ3個 × アーム4本で合計12個のブッシュが必要になります。
このリーディングアームとトレーリングアームのブッシュ(ゴム部分)が劣化してカチカチになってしまうと、車体へ強く負荷がかかってしまいます。



なるほど、ゴムの部分が劣化すると負荷を吸収できなくなるんですね(゚∀゚;)

もう10万キロ以上走ってて一度も交換したことなかったから、ずっと早く交換したいなって気になってたんだよね…(ー ー;)
ジムニーのリーディング、トレーリングアームブッシュとその他必要物品の調達
まずは今回使用した物品や工具をまとめて紹介しておきます。
リーディングアーム、トレーリングアームのブッシュは元々単品での販売設定がないらしく、アームごと交換しないといけないらしいので、JA系の純正アームブッシュ単品は流通量が少なくほとんど手に入らないらしいです。
にしてもアームごと交換するとなるとまずまずの金額になります…
そこで、今回は以下の動画を参考(6:30)に JB64、JB74用のブッシュがJB23に流用でき、JB23のブッシュがJA12、JA22、JB23へ流用できるということだったので
価格、機能性を考慮した結果… 今回はJB64、JB74用のブッシュを使うことにしました。


【JB64,74のリーディング、トレーリングアームの純正品番】

ボルト、ナット、ワッシャーなどブッシュ交換で触る箇所のパーツは全て新品に交換します。

パーツの品番をまとめておきます⬇︎⬇︎
【フロントサスペンション(リーディングアーム側)】

【リアサスペンション(トレーリングアーム側)】

トレーリングアーム(リア)の固定ボルトは前後で長さが違うので注意です。

プレス機は本格的なものになるとかなり高価なので、今回は安価なプレス機を購入して使ってみました。
購入したのは角型の油圧プレス機 6トンで、フリマアプリで12,800円で購入しました。


1箇所錆びついて抜けないブッシュがあったので、近くの車屋に持って行って本格的なプレス機で抜いてもらいました。プレス機を購入しない場合はアームとブッシュを直接車屋へ持ち込んで、打ち替えだけやってもらうのもありですねd( ̄  ̄) ただ工賃によっては安価なプレス機を買った方がいいかも…
アームブッシュをプレス機で抜くための専用工具(治具)を購入しました。
抜き、圧入の際ブッシュの逃げを確保するパイプ ▶︎ 60.5φ-3.2t-60L×1個
カラー部分を逃がすパイプ ▶︎ 50.8φ-3.2t-20L×1個
圧入ストローク分のパイプ ▶︎ 50.8φ-3.2t-40L×1個
以上の3種類の治具をブッシュに当てて、プレス機で抜きと圧入を行います。



アームブッシュの形とピッタリ合うような道具があれば購入する必要ないですd(゚∀゚)
一度アームを取り外すと再装着する際に固定ボルトの穴がズレて再挿入しずらいので、ラチェット式ベルトでアームとフレームを寄せてボルトを装着するために使用します。
各アームに3箇所ずつある固定ボルトの差し込み穴は、一度アームを取り外すと必ずズレますし、人力で合わせることは難しいので、購入しておくことをおすすめします。



アーム交換時に使用した後も、ルーフキャリアに積んだ荷物を固定する際にも使えますd(゚∀゚)
固定ボルトやナット部分の固着剥がしに便利な浸透潤滑剤です。
古い車を扱う場合にはナメてしまう前に使っておくことをおすすめします。


特にアームブッシュの抜き・圧入時にはほぼ必須アイテムです。
ジャッキとリジットラック(馬台)を使って作業をします。
タイヤは外さなくてもいいですが、アームを外した際のズレ・歪みをできるだけ予防するためにリジットラックをかけて作業します。
JA12、JA22、JB32ではギリギリそのままでもアームの固定ボルトを外すことができますが
JB23ではショックアブソーバーの下側のボルトを外さないとアームの固定ボルトが抜けません。

現在使ってるのはAmazonでセール時に購入したエマーソンのジャッキになります。
ジャッキアップ素人の私でもとても扱いやすかったので入門機としておすすめかと思います。

積載量3t,最低位135mm,最高位435mm と価格の割にかなり優秀なスペックです。
リジットラック(馬台)は支える部分にラバーがついてることと、2つ以上安全機能がついてるもので探して購入しました。



安全機能としてロックピンが刺せるようになってるのですが
少しゆるゆるで落ちてしまうことがあるので注意して使ってますd(゚∀゚;)
5000円以内、2個セット、積載量3t、最低位280mm、最高位430mm、ラバーパッド付、高さ6段調節
ロックピンでのダブルロック機能付き… と条件を全て満たして購入しましたが満足です。
Amazonが一番安いです。
取り外しはもちろんのこと作業後にボルトやナットが緩んでしまうとかなり危険なので、ボルトやナットは必ず最後に規定トルクで締める必要があります。
せめて1/2(12.7mm)と3/8(9.5mm)の2サイズは持っておいた方がいいです。
3サイズ持っていればベストですね。

トルクレンチを初めて購入される場合は価格も高すぎず使いやすいエマーソンあたりがおすすめです。
ソケットアダプターセットがあればレンチのサイズを臨機応変に付け替えて作業できるので便利です。


作業スペースに限りが箇所もあるので重宝しました。
私みたいに所持してるソケットの種類がまだ少ない方は一つ持っておくと超便利です( ´ ▽ ` )
サビや劣化による固着を剥がしたり、レンチ+ハンマーでボルトやナットを緩めたりなどなど
今回の作業では必須アイテムかと思います。


アームを固定している3箇所の長いボルトを脱着する際にないと困ります。
最後はハンマーで打ち込まないと入っていきませんd( ̄  ̄;)
アームブッシュの交換方法
実際にアームブッシュを交換してアームを取り付けるまでの工程をまとめて紹介して行きます。

まずはフロント側のリーディングアームから外してブッシュ交換をしていきます٩( ᐛ )و
ジャッキアップ・リジットラックセッティング
タイヤは取り外さなくていいですが作業の邪魔なので取り外します。

アームのジャッキポイントに馬台はかけれないので、少し後方のフレーム部分にかけました。

リーディングアーム取り外し
JA12、JA22、JB32ではギリギリそのままでもアームの固定ボルトを外すことができるので、前2箇所と後ろ1箇所を外すだけです。


リーディングアームのアクスル(フロント)サイド2本取り外し

リーディングアームのボディー(リア)サイド1本取り外し

リーディングアーム左右無事取れましたーっ
リーディングアームのブッシュ交換
リーディングアームのブッシュをプレス機と治具を使って取り外します。


表面の錆やほこりはできる限り削って洗い流してから、ラスペネ(浸透潤滑剤)をたっぷりかけてますd( ̄  ̄)
取り外したブッシュ(JA12,JA22,JB32用)と新品のブッシュ(JB64,JB74用)を比較するとこんな感じです。

リーディングアームのリアサイド側ブッシュが1個サビで固着してしまって格安プレスでは抜けなかったので、いつもお世話になっている車屋へアームごと運んで抜いてもらいました。


プレス機を持ってない、もしくは購入しない方は近くの車やアームごと持って行けば抜いてもらえるかと思います٩( ᐛ )و
リーディングアームのフロントサイド2個とボディ(リア)サイド1個のブッシュは、ボディ(リア)サイドのブッシュの方が長いです。

ブッシュの圧入前に取り外したリーディングアームを錆び取り、洗浄 ▶︎ サビ転換剤 ▶︎ 塗装 して綺麗にしました。



古いブッシュで穴を塞ぎながらシャーシーコートブラック(防錆保護剤)で塗装しましたd(゚∀゚)
ブッシュの圧入は自宅の激安プレス機で治具を使いながら挿入しました。


アームとブッシュに接着面に薄くグリスを塗っておくとスムーズに圧入できます^ ^
仕上げにゴムの劣化防止にシリコングリスを塗って完成!!

リーディングアーム取り付け
リーディングアームはフロントサイド2箇所から取り付けました。
ボルトは17mm、規定トルクは90N・mです。

ボディー(リア)サイド1箇所はボルト穴がずれるので、上下のずれはジャッキアップや用手で下に引っ張る
前後であればラチェット式ベルトをアクスルとフレームにかけて寄せました。
ボルトは17mm、規定トルクは90N・mです。



リーディングアーム取り付け完了!!



トレーリングアーム取り外し
トレーリングアームはボディ(フレーム)サイド1箇所とアクスル(リア)サイド2箇所、あとアーム上部にブレーキホースを固定しているボルトが2箇所あります。

ただ、アクスル(リア)サイドの1箇所はショックアブソーバーのマウント部分が邪魔でボルトが外せないので、ショックの下側のみボルトを外してアクスルを上下し避ける必要があります。


ショック下の固定ボルトを外してからジャッキでアクスルを持ち上げると無事に外すことができました。

ボディ(フレーム)サイド1箇所は外からはボルトが回しにくいので、内側のナットから外すと外しやすいです。


トレーリングアーム左右無事取れましたーっ


取り外したボルやナット、ワッシャーも全て新品へ交換します( ´ ▽ ` )
トレーリングアームのブッシュ交換
錆や埃を落として浸透潤滑剤(ラスペネ)を塗布したあと、格安プレス機と治具を使ってすんなりと抜けました。

取り外したトレーニングアームのアクスルサイドブッシュ(JA12,JA22,JB32用)と新品のブッシュ(JB64,JB74用)を比較するとこんな感じです。


新品のブッシュ(JB64,JB74用)には溝が入ってますd(゚∀゚)
リーディングアームと同じくブッシュの圧入前にアームの錆び取り、洗浄 ▶︎ サビ転換剤 ▶︎ 塗装 して綺麗にしてから、新品のブッシュをそれぞれ圧入しました。


アームとブッシュに接着面に薄くグリスやオイルを塗っておくとスムーズに圧入できます^ ^
仕上げにゴムの劣化防止にシリコングリスを塗って完成!!

トレーリングアーム取り付け
まずはアクスル側の2箇所から取り付けます。2箇所ボルト固定が終わったら、取り外していたショックアブソーバー下のボルトを固定をします。


ショックアブソーバー下のボルトはそのままだとボルト穴が合わないので、アクスル(デフ下)をジャッキで上下しながらボルト穴を合わせて固定してくださいd( ̄  ̄)
ボディー(フレーム)サイドの1箇所はそのままだと穴がずれてボルトが入らないので、リーディングアームの時と同じようにラチェット式ベルトをアクスルとフレームにかけて寄せながら、ジャッキで上下しボルト穴の位置を合わせてボルト固定します。

トレーリングアーム装着完了!!



最後に
なかなか大変な作業でしたがなんとか無事やり遂げることができました。
個人的にはプレス機でブッシュが抜ける瞬間に『ドズンッ!!』となるのが怖かったのとw
ラチェット式ベルトが便利過ぎたことが印象に残ってます。
ショックアブソーバーの交換やナックルオーバーホールに比べると難易度はわりかし低かったので、ボロボロのアームブッシュを長年放置して気になってる方はぜひトライしてみてください。





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以上、最後まで読んでいただきありがとうございました♪( ´θ`)ノ