ジムニッ記
ジムニー(JA11,JA12,JA22,JB32)のショックアブソーバーを交換したので、その工程をまとめて紹介していきます。
走るときにガタガタと車体への負担が顕著だったので、フロントのナックルオーバーホールと同時にフロント・リアのショックアブソーバーを全て交換しました。
タイヤを外したこともないほど足回りを整備するのは初めてでしたが、何とか無事にやり遂げることができたので、交換を検討している方はぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
ショックアブソーバーの現状
走行距離10万キロ越えのジムニーで、ショックはボロボロの純正品がついてます。
マッドタイヤを履いていることもあるのですが…
走行中はちょっとした段差でもガタガタと振動が凄かったので、そろそろ交換しないと車体にも良くないなと。
JA11はリーフスプリングで、JA12,JA22,JB32はコイルスプリングになります。
ちなみにJA12,JA22,JB32のフロントはコイルとショックが一体型ですが、JB23はフロントもスプリングとショックが別々についてますd(゚∀゚)
JA12,JA22,JB32のフロントサスペンション一体型は、社外品のラインナップが異常に少なくて
しかも、ショックマウントの上部が突き抜けるという持病が有名ですよね…
今回はショックカバーの補強プレートを使ってしっかりと持病を予防対策していきますd( ̄  ̄;)
リアのショックはコイルスプリングとショックが別々の位置に付いてます。
現在のJB23やJB64も別々ですよね。
別々の方が作業しやすそうですd(゚∀゚)
ショックアブソーバーや必要物品の調達と準備
今回のショックアブソーバーの交換で絶対に必要なもの、役に立ったものなどをまとめておきます。
絶対に必要なもの
- ショックアブソーバー
- ジャッキ、ジャッキスタンド
- トルクレンチ
- ショックマウント補強キット*
私のジムニーはボディーリフトで4インチのリフトアップをしているので足回りはノーマルになります。
JA系のフロント一体型用ショックを探すのはただでさえ球数が少ない上にJB32のノーマルとなると
純正以外に適合するのはほんの2〜3種類だけでした…_(┐「ε:)_
最終的に行き着いたのがGAB製のショックアブソーバーでした。
日本製(KYBと共同開発)でJA系のジムニーではかなりメジャーなショックになります。
本当はKYB製のものが欲しかったのですが、フロントだけで6~8万円…_(┐「ε:)_
コイルスプリングは現在付けている純正のものをそのまま使います。
フロント4段階、リア8段階の減衰力調整式になります。
取り付けに必要なゴムブッシュやワッシャーは全て純正品のものが付属してます。
ちなみに今回は購入したショックに付属していなかった下側を固定するボルトやワッシャー、ナットも全て新品を準備しました。
ゴムブッシュやワッシャーが付属していることは一切書いてなかったので、全て新品を準備してました…_(┐「ε:)_
ゴムブッシュの表面にそのまま塗料がかかっていたり、塗装のひび割れやムラがある点はマイナスポイント。
説明書もかなり適当で、本当に日本製なのか…って疑うくらいひどいもんでした…(ー ー;)
ジャッキとジャッキスタンドを使って交換作業をします。
タイヤを外さなくてもショックの交換はできないこともないみたいですが、かなり重労働みたいなのでやめた方がいいです。
今使ってるのはAmazonでセール時に購入したエマーソンのジャッキになります。
ジャッキアップ素人の私でもとても扱いやすかったので入門機としておすすめかと思います。
積載量3t,最低位135mm,最高位435mm と価格の割にかなり優秀なスペックです。
ジャッキスタンドは支える部分にラバーがついてることと、2つ以上安全機能がついてるもので探して購入しました。
安全機能としてロックピンが刺せるようになってるのですが
少しゆるゆるで落ちてしまうことがあるので注意して使ってますd(゚∀゚;)
5000円以内、2個セット、積載量3t、最低位280mm、最高位430mm、ラバーパッド付、高さ6段調節
ロックピンでのダブルロック機能付き… と条件を全て満たして購入しましたが満足です。
Amazonが一番安いです。
何かミスがあると命に関わるような箇所なので、ボルトやナットは必ず最後に規定トルクで締める必要があります。
せめて1/2(12.7mm)と3/8(9.5mm)の2サイズは最低持っておいた方がいいです。
3サイズ持っていればベストですね。
スペースが狭い部分の小さなボルトの締め上げは3/8サイズがないと1/2サイズではかなりきつい時がありましたd( ̄  ̄;)
ソケットアダプターセットがあればレンチのサイズを臨機応変に付け替えて作業できるので便利です。
作業スペースがかなり手狭なことが多いのでかなり重宝しました。
私みたいに所持してるソケットの種類がまだ少ない方は持っておくと超便利です( ´ ▽ ` )
ショックマウント補強キットがないと作業ができないわけではありませんが、フロントのショックを外すのであれば、絶対につけておいた方がいいです。
価格も2,000円しないくらいで購入できるので、悲惨なことになる前に補強しておいた方がいいかと思いますd( ̄  ̄;)
あると便利なもの
予算に都合がつくのであれば、あった方が便利なものをまとめて紹介します。
- ラスペネ
- 電動 or エアーインパクトレンチ
- 大きめのハンマー
- 14mmの薄型スパナ
古い錆びたナットやボルトは最初からラスペネを振って触らないとすぐにナメてしまいます。
古い車を触るならこれはもう必需品ですね。
固着地獄のお供に…
これはもう説明する必要もないですね。あった方が楽に作業できます。
エアーの方はコードが邪魔になるので、やっぱりバッテリー電動がいいですよね…( ´ ▽ ` 😉
場所が狭くて力が入れにくかったり、長めのレンチを使えるスペースが限られているので、手狭なところはレンチ+ハンマーで固着したボルトを外しました。
フロントのショック上部を固定しているダブルナットを外す際に、14mmの薄型スパナがあった方が作業しやすいです。
私の場合は固着してどうしても外せなかったので、ナットカッターで破壊しましたd( ̄∀ ̄;)
あってよかったもの、追加購入したもの
あってよかったとなったものや、トラブルで追加購入したものをまとめて紹介します。
古い車の場合は特に触れれば触れるほどナメたりかじったりトラブルが多いので、ボルトやナットの破壊器具はある程度準備しておいた方がいいかと思います…_(┐「ε:)_
- ナットツイスター
- ナットカッター
古い車になってくると油断するとナットをナメてしまうことも多いです。
特に私みたいに安いソケットやレンチを使ってるとナメてしまうことも多いので、新品に交換すること前提でナットツイスターが残った山をガッツリ噛んで回してくれます。
古い車を扱うなら必需品ですね( ´ ▽ ` )
ナットツイスターが使えない部分だったり、ナットツイスターでもどうにもならないナットをあっという間に真っ二つにできます。
破壊前提の工具ですが大きなサイズを1つ持っておけば、最終手段として使える便利なおすすめ工具ですd(゚∀゚)
ショックアブソーバーの取り外し、取り付け
ショックアブソーバーの取り付けから取り外しの工程をまとめて紹介して行きます。
まずはリアのショックアブソーバーから交換していきます٩( ᐛ )و
リアサイドのジャッキアップ
まずはジャッキをリアのデフに当ててジャッキアップします。
フロント側にはサイドブレーキが効いてないので、フロントタイヤ前にブロックなどを置いてタイヤが動かないようにしておいてくださいd( ̄  ̄)
両側トレーディングアームの付け根にジャッキスタンドを当ててから、ジャッキを降ろします。
トレーディングアームの途中にあるポッチ(ジャッキポイント)に当てるとトレーディングアームを上下に振れなくなります。
トレーディングアームを上下に触れないとショックの脱着に困ります_(┐「ε:)_
ショックを外すとトレーディングアームが下に振れてデフが落ちてくるので、ジャッキをデフに当てたまま軽く支えておきます。
このデフのジャッキを上げ下げしながら、ショック下の取り付けボルトの位置を調整しますd(゚∀゚)
タイヤを外して視界良好です。
車を揺すって見てしっかりとスタンドが固定されているか確認します。
リアのショック取り外し
リアのショックを取り外しをしていきます。
ショックを外す前にデフ(アクスル)上に何かチューブなど固定されているものがないか確認してください。
私のジムニーは何かホースのようなものが固定されていたので外しました。
デフ(アクスル)上に固定されたものを外しておかないと、ショックを外した後にデフが垂れてチューブなどはちぎれてしまうので必ずチェックしておいてくださいヽ(´o`;
デフ(アクスル)上に何も固定してないことが確認できたら、まずはショック下側の固定ボルトから外していきます。
デフを支えているジャッキを調整しながらショック下側の固定ボルトを引き抜いてください。
デフをジャッキで支えてないとショックを外したらアクスルが下に垂れてくるので注意です。
ただ、デフを支えないと下側の固定ボルトにテンションがかかってボルトは抜けないかと思いますd( ̄  ̄;)
次はショック上部の固定ナットを外します。
上部の固定ボルトは備え付けなので、ナットを外してからショックを内側にスライドさせて外します。
左リアのショックはマフラーがあるので少し作業しずらいです…_(┐「ε:)_
無事外れました。ショックのガス/オイル抜けの具合やゴムブッシュの痛み具合などをチェックします。
完全にスカスカだと思っていたのですが、意外とまだガスが残っててヘタってませんでしたd(゚∀゚;)
コイルスプリングの取り外し
コイルスプリングの取り外しをしていきます。
ショックを外した後、デフを支えているジャッキをゆっくり下ろしていくとアクスルが垂れるので
コイルスプリングをスライドさせて外すことができます。
リアサイドのコイルスプリングやコイル・ショックマウント、デフの清掃
取り外したコイルスプリングは再度使用するので、洗浄▶︎サビ落とし▶︎乾燥▶︎錆転換剤塗布▶︎防錆塗装
ショック、コイルスプリングのマウント部分やデフ(アクスル)も洗浄▶︎サビ落とし▶︎乾燥▶︎錆転換剤塗布▶︎防錆塗装して綺麗にしました。
リアのショック、コイルスプリングの取り付け
新品のショックと磨いたコイルスプリングをとりつけていきます。
まずはコイルスプリングを取り外した時と同じようにマウントの窪みの部分に合わせて取り付けます。
取り付けたら少しジャッキアップしてデフを持ち上げておきます。
ショックに取り付けるボルトやナット、ワッシャーはマットブラックに防錆塗装しました。
ショックは上側から取り付けて取りつけます。
ボルトやゴムブッシュ、ワッシャーの順番や向きは以下の通りです⬇︎⬇︎
下側のボルトはジャッキでデフの高さを調整しながらボルト穴を合わせて差し込んで取りつけます。
取り付け完了!!
タイヤをつけてから荷重のかかった状態で規定トルクに締め上げてリアは終了です。
リアショックの規定トルクは上下共に85N•mになりますd(゚∀゚)
フロントサイドのジャッキアップ
ジャッキをフロントのデフに当ててジャッキアップします。
ジャッキアップする前にフロントのタイヤのボルトを緩めておきましょうd( ̄  ̄)
ジャッキアップ後はタイヤが回ってボルトが外しにくいです。
タイヤを外す前の写真を撮り忘れてました…_(┐「ε:)_
両側リーデイングアームの付け根にジャッキスタンドを当ててから、ジャッキを降ろします。
リーディングアーム途中にあるポッチ(ジャッキポイント)に当てるとリーディングアームを上下に振れなくなります。
リーディングアームを上下に触れないとショックの下側の固定ボルトをはめ込むことが困難です_(┐「ε:)_
タイヤを外して作業準備完了です。
車を揺すってみて、しっかりとスタンドが固定されているか確認します。
ショックを外すとリーディングアームが下に振れて、デフ(アクスル)が落ちてくるので、ジャッキをデフに当てたまま軽く支えておきます。
このデフのジャッキを上げ下げしながら、ショック下の取り付けボルトの位置を調整して外したりつけたりしますd(゚∀゚)
ブレーキの取り外し
ブレーキを取り外していきます。
必ずしもブレーキを取り外す必要はないですが、デフ(アクスル)を上げ下げする際にブレーキホースにテンションがかかって傷めたりする可能性もあるので、外しておいた方が無難ですd( ̄  ̄)
まずはブレーキキャリパーの後ろのボルト(10mm)を2本取り外します。
ブレーキキャリパーがガバッと取り外せます。
ブレーキホースが切れるとまずいので、S字フックなどを使ってテンションがかからないように吊り下げておきます。
ブレーキディスクを挟み込んでいるブレーキパッドを引っ張って2つとも外します。
最後にマウンチングが2本のボルト(17mm)で固定されているので取り外します。
マウンチングをブレーキディスクから引き抜いて、ブレーキの取り外し完了です。
フロントのショックとコイルスプリングの取り外し
フロントのショックとコイルスプリングの取り外していきます。
ショックを外すとリーディングアームが下に振れて、デフ(アクスル)が落ちてくるので、ジャッキをデフに当てたまま軽く支えておきます。
このデフのジャッキを上げ下げしながら、ショック下の取り付けボルトの位置を調整して外したりつけたりしますd(゚∀゚)
ショックの下側の固定ボルトから外していきます。
ボルトを回そうとすると反体側のナットまで供回りしてしまうので、反対側のナットを把持した状態でボルトを緩めていきます。
私は反対側をスパナで挟んだ状態で回りました。挟んでさえいれば、片方を回してると勝手に引っかかってロックされます^ ^
ナットが外れたらジャッキでデフ(アクスル)の高さを調整したり、ボルトをハンマーで叩きながら外していきます。
ジャッキでデフを上げ下げしながら、ボルトにテンションがかからないちょうどいい位置を見つけてくださいd( ̄  ̄)
両側下側の固定ボルトを外したら、ジャッキをできるだけ下げてアクスルを下ろしてから
ショックの上側の固定ナットを外していきます。
デフ(アクスル)を下げることでコイルスプリングが伸びてショック下にスペースができるので、取り外ししやすくなりますd( ̄  ̄)
上側のダブルナットは薄型スパナを使って外そうとしましたがどうしても回らず…
ナットカッター(ブレイカー)を使って粉々に粉砕しました。
あとは下からショックとコイルスプリングを引き抜けば取り外し完了です。
取り外したショックやゴムブッシュなどの状態を確認します。
ゴムブッシュはヘタってましたが、ショックのガスは完全に抜け切ってませんでしたd( ̄  ̄)
フロントサイドのコイルスプリングやコイル・ショックマウント、デフの清掃
リアサイドと同じく、取り外したコイルスプリングは再度使用するので
洗浄▶︎サビ落とし▶︎乾燥▶︎錆転換剤塗布▶︎防錆塗装しました。
ショック、コイルスプリングのマウント部分やデフ(アクスル)も全て洗浄▶︎サビ落とし▶︎乾燥▶︎錆転換剤塗布▶︎防錆塗装して綺麗にしました。
綺麗に掃除した後の写真を撮り忘れました…_(┐「ε:)_
フロントショックのトップはショックマウントを挟み込んで以下のように固定します。
補強プレートはショックマウントの内側と外側に当て込みます。
フロントはショックにアンダーのマウントがついてるので、窪みに合わせてコイルスプリングをセットしてから差し込んでいきます。
ショックをトップマウントに差し込んだら、一番上のダブルナットはとりあえず1つだけで固定しておきます。
コイルスプリングは上の方もきちんと窪みに合わせて差し込んでくださいd( ̄  ̄)
下側はデフ(アクスル)をジャッキで上下に調整したり、ショックを押し込んだりしながら新しいボルト、ナットで固定しました。
ジャッキでデフ(アクスル)を上げ下げしてもスプリングが強くて差し込めない時は、トップのナットを閉めて上に引っ張り上げてくださいd( ̄  ̄)
最後にブレーキ取り付け▶︎タイヤ取り付け▶︎ジャッキ、スタンドを外して荷重をかけた状態(ワンジー【1G】)で規定トルクに締め上げていきます。
トップのナットをある程度締め込んだら、もう1つのナット(ダブルナット)を閉めて取り付け完了です。
フロントショックの規定トルクはトップが29N•m、アンダーが90N•mになりますd(゚∀゚)
最後に
取り外したショックは意外とへたってませんでしたが、交換後は乗り心地が劇的に良くなりました。
またお金が貯まったらコイルスプリングも交換しようと思います。
ブラックブラックしてた車体を覗き込むと、ちらっと見える赤のカスタム感がいい感じです。
他にも旧型ジムニー(JA11,JA12,JA22,JB32)に使える車DIY記事を書いてます。
興味のある方はぜひ読んでいただけると幸いです⬇︎⬇︎
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以上、最後まで読んでいただきありがとうございました♪( ´θ`)ノ